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  さあ、いよいよ「許す練習」に進みましょう。「自分をほめる」練習はくり返しやっていただけたでしょうか。「読んで、頭で覚えて、実践はあとまわし」ということがないように、一章と二章の間に少し時間を取りました。

  どうぞ、この章も読むだけで納得して終わらせないで下さいね。読んだだけで安心する気持は分りますが、その安心をほんとうに自分のものにするのは、あなたの実践しかないのです。


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  「自分を許す」とは、自分を責めたり、自分の欠点やマイナス面にとらわれて否定的な気持になった時、肯定的な気持に切り変え、自分を優しく受け入れてあげることです。

自分を嫌いな人は、無意識のうちにしょっちゅう自分のどこかを責めていたり、「まだダメだ、まだダメだ」と厳しい視点を自分に向けて、「こんな私はいやだ」「こんなことじゃ、どうしようもない」「いつまでたっても自分を変えられないなんて情けない」と思い続けています。これをマイナスの思いグセと言います。

どんなクセでも、今すぐやめるということは難しいものです。特にマイナスの思いグセをプラスの思い方に変えるには、頭の理解だけではできません。そこで、練習が必要になってきます。

あなたは既に「自分をほめる技術」がポチポチと身についてきていますから、さらにこの「許す技術」を修得していくことで、マイナスの思いぐセを上手に切り替えていけると思います。

自分を許し、受け入れる回路ができてくると、自己肯定感がたかまり、さらに自分の良さに目を向けることがしっかりと身についてきます。そうするとあるがままの自分を受け入れるのがもっとうまくなります。つまり、ほめる練習と許す練習は相互に深く関わっていて、両方を実践することで相乗効果がうまれ、自分を好きになっていけるのです。

  ですから、自分をほめる練習を実践していない人は、ある程度実践してから許す練習に入ってください。そうすることであなたはより効果的に「自分を好きになる技術」を修得することができます。


＜「マイナスの思いグセ」のチェック＞

  どういう時に、どういうことで自分を責めたり、嫌悪しているかチェックしてみましょう。

自分を嫌っている人、何ごとにも自信のない人は、自分を悪く思う“思い方の回路”が後天的に組み込まれてしまっていて、自動的にマイナスの思いが出て来てしまう人がほとんどです。そのため自分を責めていたり、特にマイナスの思い方をしていると言う自覚がない人がほとんどです。

それどころか、困るのは「自分をダメな人間だと思うこと」「自分を悪く思い追いつめること」が、いいことだと思っている人が多いことです。もっと困るのは「自分をダメダ、ダメだといじめていると、そのうちいい人間になれる」と思いこんでいる人たちがいることです。これは大きな間違いですから、認識を変えてください。

どういう思い方が自分を責めているのかわからない、という方のために、話しによく聞く事例をあげますので、参考にして、あなた自身のチェックをしてください。

  この作業は「自分を知るため」に行なうもので、反省するためのものではありませんので、軽い気持でチェックしてみましょう。
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家の中で

「休みの日に、家の中で一日ダラダラと過しちゃうと、夜になって、どうしてもっと有意義に過せないんだろう、と自分を責めてしまう。」

　　「子どもを感情で怒っては、あとになって自分を責め、明日からはやめようと毎日思っているのに、毎日怒っている。もう私は母親失格だと自分がいやでいやでたまらない」

仕事に関して

　　「小さなことでもミスを指摘されると、クヨクヨして、どうしてあんなことを間違えたのかと、自己嫌悪に陥り、なかなか立ち直れない」

　  「会議で発言しなければならない時、緊張で体がこわばり、舌がもつれてしまい、恥ずかしい思いをする。そのあとは、いつまでたっても変われない自分を責めている」

人間関係で

　  「相手にどう思われるかばかり気になっていて、自分の意見や気持を伝えられず、そういうことがあった後は必ず落ち込んでしまう。」

  「近所の人とうまく付き合うことができなくて、『こんなことじゃダメだ』とがんばろうとしている」

性格、内面性に

　　　「自分がわがままな性格だとわかっているのに直せない。こんなことではいけないと時々自分に怒っているけど、変わらない」

　  「日頃から自分の考えや意見がはっきり言えず、いつも相手に合わせている自分をいやだと思っている。特に本当の気持と正反対のことを言ってしまった時、自分に腹が立って落ち込んでしまう」

体のトラブルで

　  「疲れやすい体質で、少し無理をすると風邪をひいたり、胃が痛くなり、そんな体に対して『ああ、いやだ』『ああ、いやになっちゃう』と常に言っている」

　　「アレルギーのせいで、性格も消極的になってしまい、こんなことじゃ生きていてもしょうがないとよく思う」

過去の自分に

　　「過去の一つの失敗が忘れられず、思い出すたびに恥ずかしさと、自己嫌悪に襲われ、これからの人生でも何事もうまく行かないような気持になり、『どうせ私なんか、、、』とよく言っている」

　　「別れた人に、もっとああしておけば良かった、こうしておけば良かったと後悔し、なんでそうできなかったのかと、クヨクヨと過去の自分を責めている」

心の波に

　  「ようやく気持が上向いてきたかなぁと思って喜んでいると、またガクッと下がっちゃう。そんな時、やっぱり私はダメなんだ、もう死んだ方がマシだ、とまで思ってしまう」

　　「長所さがしをしていると、欠点の方が先に思いつくので、いつのまにか欠点を数え上げている自分がいる。私は欠点だらけだから、何をやったってダメだとふてくされる」

生き方について

　  「人に振りまわされず、自分らしく生きたいと思うのに、それができないので、自分がイヤでたまらない」

　  「世の中のために役立つことをしたいと思っているのに、毎日自分のことで精一杯で、こんなことなら生きている意味も価値もない、と自分を責めている」
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――と、こんなふうに、日常のあなたを自己チェックしてみると（あくまでもチェックするだけで、反省するのではありませんよ）、あなたがどんな時に自分をいじめたり、嫌ったり、責めたりしているか、見えてくると思います。

でも「こんなにいつも自分をいじめてきたのか」と、がっかりして落ち込まないようにしてください。「こういう自分がこれから変われるんだ」と、希望を持ちましょう。

＜許し方・１０のポイント＞

１、         責めている自分に気づく

２、         プラスの言葉に言い直す

３、         欠点の裏側の長所をみる

４、         マイナス部分はありのままに認めて、心の中でたたかわない

５、         優しい言葉を掛ける

６、         心に目標をもって許す

７、         自分を信じて許す

８、         宇宙から肯定されていることを信じる

９、         役割があることを信じる

１０、罪には愛の行為でつぐなう


次回から、一つずつ、分りやすく説明していきます。それまでもう一度、「ほめる技術」を読み返し、あなたが書いた「ほめ日記」も読み返しておいて下さい。そして「あなた自身の変化、発見のチェック」を必ずしておいてください。

この続きは　５月に出版する『自分を愛するためのココロとカラダのセラピー・ブック』をお読みください。


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