| ５、ｉｎｇをほめる（結果が出ていなくても今現在、努力していること−−努力の進行形をほめる） ▲ 東京のある小学校で講演をした時に、父母を対象にアンケートをとりました。その中の設問の一つに「あなたのどんなところをほめてあげたいですか」というのを入れました。 上手に自分をほめている方もいましたけど、「特にありません」と書いた方や空欄のまま出された方もいました。 そのアンケートの回答の中で、ちょっと変わっていて印象に残ったものがあります。それは 「私は今は開発途上なので、ほめられません」というものです。 「そんなこと言ったら、私だって開発途上よ。でも、人って、死ぬまで開発途上なんじゃないかしら。その開発途上であることをほめてあげればいいんですよ」と、言ってあげたい気持ちでした。それに「開発途上」なんてオモシロイ言い方を思いつくだけでも、ほめてあげたいと思いました。 ＜より良い人間になりたい、自己を開発したい、と思いながら自分が目指す道を歩いていて、今はその道の途中にいる＞としたら、それだけで充分にすばらしいことです。「私の開発はもう終了しました」なんて言う人より、ずっとステキだと思います。 「結果が出ないとほめられない」「完全でないとほめられない」というのが“自分をあまり好きではない人”の共通点のように思います。「今、努力している最中」で、その努力が思うように行かなくても、進行形であることをしっかり認め、評価してあげましょう。 私たちは、とった点や順位という「結果」が最も重視される学校生活を、長い年数送ってきました。そして社会に出るとまた競争原理に基づく「結果主義」にさらされてしまいます。 しかし、人生の価値は、結果ではなくそのプロセス（過程）にあるのです。 あなたという人間の価値は、人生のほんの一部分、一時期だけを、人と比較し、点数や順位をはじき出して決めるものではありません。今、あなたは何を目指し、どういう努力をしているのか、ここを肯定的に見ることが、あなたの良さを引き出し、努力を実らせることにつながります。 努力が実れば、どうなりますか？ あなたはさらに自分を肯定し、好きになって行くのです！ 「自分のプラス面に目を向けて、自分を好きになるための努力をしている私は、すばらしい」 「自分の気持を表現する練習を、私なりに少しずつやっているので、そのことは評価できる。」 「○○の資格を取るために、通信講座を受けている私は、よくがんばっているね。えらいよ」 というように、あなたのｉｎｇをさがしてください。自分を尊重（肯定）する意識を持ち、思い（希望、目標）があり、その実現を目指しながら努力しているーーこれがあれば、人は、自分自身が“生きている”という実感や充実感を得ることができます。そうすると心の幸せや喜びを得ることができます。その連続があなたの人生を豊かなものにしてくれることは間違いありません。大金持ちにならなくても、たくさんのモノを得なくても、自分が納得する満ち足りた人生を送ることができると思います。 『そんなことでいいの〜！？』 ▲ 「自分の時間を作るように心掛けていることがエライ」（二十代･女性） この方は初めての子育てで、不安とイラ立ちを抱えながらも、自分の時間を少しでも作って、本を読んだり、好きなことをして気分転換するように努力しています。 忙しい人にとって、時間を作る努力というのはなかなか大変です。でも心身のバランスのためにはとても大事であり、必要なことですね。それは自分自身のためだけではなく、子どもや家族のためでもあるのです。 |
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