６、過去の努力をほめる
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　　「今」のあなたが努力していることを認めてあげたら、次に、「過去」にしてきた努力や一生懸命だったことを探してほめてあげましょう。もちろん、思い通りの結果が出ていなくていいのですよ。結果として目に見えたり、形に表れなくても、そのプロセスで、あなたは目に見えないたくさんのものを得て、こんにち在るのですから、過去を認めてあげることもとても大切な作業です。
　　過去と言っても、つい最近の過去もあるし、幼い子どもの頃の過去もあります。あなたが思い出しやすい時期を選んでください。
　　自分が好きではない人は、過去に何らかの原因があると思います。深く傷ついた出来事や、子どもの頃の苦しかった環境など、思い出したくないことは無理に思い出そうとしないで下さい。でも、自然に思い出されてしまう場合は、その苦しかった時期を、一生懸命生きて、乗り越えてきた自分を、いっぱいほめてあげましょう。そうすると、だんだん自分自身が子どもの時から持っていた力や純粋な気持ちがわかって、自己を回復していく一つのきっかけにもなると思います。

　　たとえばこんなふうにほめてみましょう。

　　「小さい頃、お母さんは何も私のことほめてくれなかったけど、私は一生懸命がんばっていたんだよね。いい子だったよね。小さかったのに、ほんとによくやっていたね」

　　「お父さんによくぶたれたので、私はだめな子だからだと思っていたけど、だめな子なんかじゃなかった。悲しいのを長いことよくがまんしてきたね。えらかったね」

などと、当時の自分を優しく抱き寄せるようなイメージで、くり返し言ってあげましょう。
（ちなみに、上記の例は私自身が昔（？）よく自分に言い聞かせたことです！）

『そんなことでいいの〜！？』
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　　「子どもの頃から運動が苦手で、体操の時間は何をやってもビリだった。すごく辛くてよく泣いたけど、がんばっていたボクはえらかった。」（二十代・男性）
　　この方は、運動神経が鈍いことに対するコンプレックスを、成人してからも引きずっていました。こうしてがんばっていたことを繰り返しほめているうちに、歯を食いしばってがんばることで、身につけてきたものを発見し、気持がラクになったそうです。コンプレックスは消えて、その分、自分を好きになりました。

　　「去年、意志の弱い私にはむりだと思っていたダイエットに挑戦し、適正体重にすることができた。私は意志が弱いわけじゃないのよね。やろう、と思えばやれる力を持っていたのね。すごいじゃない」（二十代・女性）
　　ダイエットの成功によって、好きな体型になっただけでなく、精神的な自信もついて、よかったですね。

　　「二十年間、吸っていたたばこを「やめよう」と決意して半年でやめることができたので、我ながらえらいと思います」（四十代・女性）
　　スゴイですね〜。こんなふうに「良くやった！」と自分で思えることをほめていると、他のプラス面も見えてきますよ。
　　
　　「第一志望の大学受験に失敗した時、初めて挫折感を味わって、落ち込んだけど、目標に向かって一生懸命勉強した私の集中力や精神力はすごいものがあった。よくやったね。」（二十代・女性）
　　大きな挫折にドカーンとぶつかると、それをきっかけに、あらゆることに自信を失い、自己否定感を強くしてしまうことがあります。
　　この方もそうでしたが、自己尊重トレーニングを始めてから、「受験に失敗した自分を許す」ことができて、さらに、自分が選んだ第二の道を肯定することが出来るようになりました。

『過去の傷を癒す作業』
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　　子どもの頃の心の傷（トラウマ）を含めて、過去を癒す作業は、自己実現のために欠かせないことですが、今、あなたが実践している「自分好きになる技術」の修得は、過去の癒しの<優れたクスリ＞でもあります。特に癒しの作業をしていないのに、気がついたらいつのまにか傷は癒えていた、ということもあります。傷は人によって様々ですので、すべての人に当てはまるものではありませんが、少なくとも、癒しのプロセスで、このトレーニングが大きくプラスに作用することは間違いありません。
　　あなたが最後まできちんと「自分を好きになる」ためのトレーニングを実践すれば（ただ読むだけではなく）、その意味が理解できると思います。
　　なお、癒しのためには「幸せになる心のトレーニング」（学陽書房）（690円）も、参照してみてください。

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ちょっと  ひとやすみ

　　１から６まで、進んできましたが、何かあなた自身の発見や、オモシロイことに出会ったりしませんでしたか。もしもあなたが、ただ読んでいるだけで、実践をしていないとしたら、もちろん何の発見もオモシロイことも手に入れられないでしょう。でも、あなたが熱心にほめることをノートに書いて、実践しているとしたら、今までにないナニカを感じたり、見出したりしていると思います。
　　そういうナニカを大切にしてくださいね。ほめる項目の１０番目は「変化、発見をほめる」ですから、どうぞ今から、注意深く、そして優しいまなざしで、肯定的にあなたを観察していてください。

　　「『自分をほめる技術』を楽しく読んでいます」とか「いつも楽しみに見ています」などのメールやお手紙をよくいただくので、私はとても嬉しいのですが、でも、読んでいるだけ？？ 見ているだけ？？ やってくれているのかなぁ、と、ちょっと気になったりもします。やってくださいね。あなたの人生の主人公はあなたなのですから、あなたらしい人生をイキイキと生きられるように出来るのはあなたしかいないのです。
　　実践している方、「やってま〜す」というメールを、ぜひぜひください！

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